【実践報告】
透析患者の足病変に対する早期発見および人工炭酸泉浴
内田 波乃
1
,
後藤 和泉
1
,
金澤 久美子
1
,
鈴木 利昭
1
1阿佐ヶ谷すずき診療所
pp.79-82
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100159
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はじめに
近年,透析患者の年齢は,透析の長期化,高齢者の透析導入など,年々高齢化の一途をたどっている.また一方で,透析導入患者の1位を占める原疾患も,慢性糸球体腎炎から糖尿病性腎症へと代わっている.当院においても,65歳以上の高齢者や糖尿病性腎症者は増加傾向にあり,全透析者の4割以上を占めている.
これらの患者のQOLに影響を及ぼす合併症の1つとして足病変がある.その原因として神経障害,血管障害,閉塞性動脈硬化症などがあり,放置すると潰瘍,壊疽へと進行し,最後には切断を免れないケースも少なくない.
患者自身も日常生活のなかで足の状態に注意を払うことは少なく,深爪,冷感,踵の亀裂など,軽症の段階では異常と認識せず過ごすことが多い.また私たち医療者側も,患者の訴えがない限り注意を払わないのが現状である.
今回私たちは,透析患者の足病変の早期発見,予防のために,患者自身にも足病変の知識と重要性を認識させ,こまめな足のチェックを習慣づける指導を行うとともに,定期的な足の観察,諸検査を行った.そのなかで,簡便に行えるモノフィラメントによるタッチテストと人工炭酸泉浴の有効性について報告する.
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