特集 便秘と慢性腎臓病・透析医療
[コラム]甘酒の便秘改善効果
上原 由美
1
1公立碓氷病院診療技術部栄養科
キーワード:
甘酒
,
便秘
,
CKD
,
透析
,
便通改善
Keyword:
甘酒
,
便秘
,
CKD
,
透析
,
便通改善
pp.389-390
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002102
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甘酒は日本の伝統的な甘味飲料である.甘酒は「麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があり,麹甘酒は清酒の原料となる米麹を糖化して造ったもので,酵母によるアルコール発酵を経ないのでノンアルコールであり,米麹の代謝産物が多く含まれている.一方,酒粕甘酒は清酒を搾ったあとの酒粕に砂糖(ショ糖)を添加して調味したもので,若干のアルコールを含み,酵母の代謝産物が含まれている.麹甘酒は平安時代から飲用されていた記録もあり,初めは身体を温めるために冬に飲まれていたが,江戸時代には夏の暑気払いに飲用する習慣も始まり,四季を通じて広く飲用されるようになった.ブドウ糖やアミノ酸,ビタミンB群など多くの栄養素を含むことから“飲む点滴”といわれている.昭和時代に入ってからは酒粕甘酒が造られ始め,1970年代以降は酒粕甘酒が製法の簡便さから広く流通するようになってきた.
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