5.慢性便秘症の診療（2）特殊検査

慢性便秘症の治療は，原因と病態に応じた生活習慣の改善や食事療法，薬剤治療あるいは便秘の原因となる薬剤の中止，原疾患の治療が一般的である．しかし，これらの治療で残便感や排便困難感が改善せず，治療に難渋するケースも認められる．通常の治療で改善しない場合，バイオフィードバック療法や心理療法，あるいは結腸切除術や直腸固定術といった外科治療など，より専門的な治療が適応となる場合もある．本稿では，慢性便秘症に対する専門的治療の適応判断に用いられる検査を慢性便秘症の特殊検査と位置づけた．特殊検査として，大腸通過時間検査，MRI／CT検査，排便造影検査，直腸肛門内圧検査を，また近年注目を集めている直腸超音波検査についても概説する．