慢性腎臓病における腸内細菌叢とプロバイオティクス

Gut microbiota and probiotics in chronic kidney disease

はじめに

　近年，腸内細菌叢の各疾患への関与が話題になっている。2011年，動脈硬化に腸内細菌が関与しているとのWangらの報告により，腸内細菌叢に注目が集められることとなった。プロバイオティクス投与が透析患者におけるインフルエンザ感染率を有意に低下させるとの報告もなされており，腸内以外の臓器の感染に腸内細菌が関与している可能性が示唆されている。妊娠に関してもいくつかのランダム化比較試験（RCT）を解析した結果，プロバイオティクス投与が，妊婦のアトピー性皮膚炎，湿疹，壊死性腸炎，死亡を有意に減少させることが報告されている。