特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 4] 合併症・併存疾患がある患者への対応
便秘
平田 純生
1
1I & H株式会社 学術研修部
キーワード:
便秘
,
CKD患者
,
腸内細菌叢
,
腸腎連関
Keyword:
便秘
,
CKD患者
,
腸内細菌叢
,
腸腎連関
pp.122-126
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_122
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▪便秘患者はCKD発症率,透析導入割合が有意に高く,便秘の重症度は腎機能悪化や透析導入の独立した危険因子であるといわれている.
▪水分摂取制限,カリウム制限の必要なCKD患者は便秘しやすく,カリウム吸着薬,リン吸着薬などの催便秘薬投与により,透析患者の便秘発症頻度は腎機能正常者の5~10倍高い.
▪透析患者の便秘は透析中の腸管虚血により致死性腸病変の原因になるため,便秘は「たかが便秘」では済まされない.
▪CKD患者の腸内細菌叢はきわめて異常で,それによって腎排泄性の尿毒素が蓄積し,心血管病変・生命予後を悪化させる.
▪プレバイオティクス,プロバイオティクスの摂取,便軟化作用のある適切な下剤の投与はCKD患者の腎機能悪化・予後を改善する可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2023