特集 透析患者の心不全パンデミックに立ち向かう
4.心不全を合併する末期腎不全に対する血液浄化療法
松尾 実紀
1
,
吉原 史樹
1
1国立循環器病研究センター腎臓高血圧内科
キーワード:
心不全
,
末期腎不全
,
血液透析
,
腹膜透析
Keyword:
心不全
,
末期腎不全
,
血液透析
,
腹膜透析
pp.482-489
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002975
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低心機能や症状が強い心不全では,内シャントは避け,腹膜透析あるいは動脈表在化か長期留置型カテーテルによる血液透析を選択することとされている.しかし,確立した選択基準はなく,今後心不全を対象としたさらなる検討が必要である.心不全における血液透析では,透析低血圧,バスキュラーアクセスが併存症に与える影響に留意する.とくに低心機能で低血圧の重症心不全では,腹膜透析のベネフィットが多いため積極的に腹膜透析を検討する.ただし,腹膜透析のベネフィットは残存腎機能の低下に伴いtime-dependentに減弱する.残存腎機能および体液過剰は生命予後に影響するため,必要時は適切な透析メニューの強化と血液透析への移行が重要である.
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