透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
5.胃・十二指腸 6 消化管間質腫瘍(GIST)
杉山 敏郎
1
1北海道大学病院先進消化器がん分子標的治療・予防学研究部門
キーワード:
GIST
,
KIT
,
カハール介在細胞
,
イマチニブ
,
スニチニブ
Keyword:
GIST
,
KIT
,
カハール介在細胞
,
イマチニブ
,
スニチニブ
pp.1013-1016
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001858
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かつての曖昧な消化管間葉系に由来する腫瘍とする概念から,今日では発生機序研究に立脚し,消化管筋間神経叢に存在するペースメーカー細胞であるカハール介在細胞に由来する腫瘍を消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)とする考え方が確立した.その根拠はカハール介在細胞のみがGISTと同様に,KITおよびCD34が発現していること,特定のエキソンに変異のあるc―kit遺伝子ノックインマウスで消化管のカハール介在細胞過形成様腫瘍およびGISTが発生することが明らかにされたことなどである.予後不良GISTは10万人当り2〜3人と報告されてきたが,新しい疾患概念の確立と検診で発見される小さい胃GISTもあり,実際の頻度はもっと多いと推定される.消化管GISTのうち,60〜70%が胃,20〜30%が小腸,大腸は5%以下と推定されている.
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