透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
1.全消化管にみられる疾患・徴候 3 消化管の感染症
清水 誠治
1
1大阪鉄道病院消化器内科
キーワード:
消化管感染症
,
細菌性
,
ウイルス性
Keyword:
消化管感染症
,
細菌性
,
ウイルス性
pp.941-944
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001841
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口腔から肛門に至る消化管にはさまざまな感染症が発生する.食道にはカンジダ症が好発するが,胃酸分泌抑制薬の使用が誘因となるほか,免疫不全患者では高度な病変がみられることがある.ほかにヘルペス食道炎や食道結核もみられる.胃で高頻度にみられるHelicobacter pylori感染症は慢性胃炎,消化性潰瘍から胃癌やmucosa associated lymphoid tissue lymphoma(MALT)リンパ腫に至る腫瘍性疾患や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の発生にも関連する.胃ではほかにサイトメガロウイルス(CMV),結核菌,梅毒トレポネーマが病変を形成するほか,厳密な意味での感染症ではないがアニサキス症の好発部位でもある.日常的に経験することが最も多いのは腸管感染症であり,原因となる病原体は多岐にわたる.以下,本稿では腸管感染症を中心に解説する.
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