特集 強膜炎
4 細菌性強膜炎
住岡 孝吉
1
1和歌山県立医科大学医学部眼科学講座
キーワード:
強膜炎
,
細菌性
,
緑膿菌
,
ステロイド
,
翼状片手術
,
マイトマイシンC
Keyword:
強膜炎
,
細菌性
,
緑膿菌
,
ステロイド
,
翼状片手術
,
マイトマイシンC
pp.689-692
発行日 2018年7月5日
Published Date 2018/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000715
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強膜炎には非感染性と感染性があるが,非感染性のほうが頻度は高く,自己免疫疾患の眼合併症として発症することが多い。感染性は強膜炎の5~10%といわれている1)2)。以前まで感染性強膜炎は機能的失明や眼球摘出に至ることもある予後不良の重篤な疾患であった3)。その要因は強膜が血管に乏しく起炎菌が強膜深層に及ぶと抗生物質の効果が減弱してしまうこと,また感染性強膜炎と診断に至るまでステロイドを使用されるケースが多々あることが原因と思われる。近年ではこれまでの報告をもとに早期の外科的病巣切除を念頭に置いた治療により予後が改善してきている。感染性強膜炎は多くの場合,細菌,真菌,寄生虫,アカントアメーバ,ウイルスなどさまざまな病原微生物が直接強膜に感染することで発症するが,それ以外にも単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスなどによる全身性の感染症に対する免疫反応としても発症することがある4)~9)。感染性強膜炎のなかでは細菌性が最多であり,本稿では細菌性強膜炎について紹介する。
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