透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
1.全消化管にみられる疾患・徴候 2 消化管運動機能異常・吸収不良症候群
眞部 紀明
1
,
綾木 麻紀
1
,
中村 純
1
,
藤田 穰
1
,
畠 二郎
1
,
春間 賢
2
1川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)
2川崎医科大学検査診断学(総合内科学2)
キーワード:
消化管運動機能異常
,
吸収不良症候群
,
透析
Keyword:
消化管運動機能異常
,
吸収不良症候群
,
透析
pp.937-940
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001840
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
種々の原因により生じた消化管運動の障害に伴い,さまざまな臨床症状を呈する疾患群である.消化管運動の障害部位により引き起こされる症状も異なり多彩である.本項では透析患者にしばしば認められる消化管運動異常を中心に解説する. 透析の種類により発症しうる消化器疾患の内訳は異なる.腸管虚血や消化管出血などは血液透析患者に多いが,腹膜透析患者に多く見られる消化器疾患(症状)も存在する.透析患者によく見られる消化器症状は,便秘・ディスペプシア・腹痛・逆流症状であり,腹膜透析患者はディスペプシアや逆流症状などの上部消化器症状を訴えるケースが多く,血液透析患者は便秘などの下部消化器症状を訴えるケースが多いと報告されている.
Copyright © 2021, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.