特集 CKD診療におけるビタミンと微量元素
2.各ビタミン・微量元素の現況(2)ビタミンD
溝渕 正英
1
,
小岩 文彦
2
1昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門
2昭和大学藤が丘病院内科系診療センター内科(腎臓)
キーワード:
ビタミンD
,
コレカルシフェロール
,
エルゴカルシフェロール
,
カルシフェジオール
Keyword:
ビタミンD
,
コレカルシフェロール
,
エルゴカルシフェロール
,
カルシフェジオール
pp.641-647
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001765
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ビタミンDとは栄養型(もしくは天然型)のビタミンD代謝物のことを示し,アナログ製剤をはじめとする活性型ビタミンD製剤とは本来は区別される.ビタミンDにはビタミンD3であるコレカルシフェロールと,ビタミンD2のエルゴカルシフェロールがあり,さらに25位水酸化ビタミン(OH)D3であるカルシフェジオールも栄養型ビタミンDに含まれる.血中25(OH)D濃度は体内のビタミンDの過不足状況を反映している.透析・CKD患者の多くは血中25(OH)D濃度が低下しており,ビタミンD不足が潜在化している.血中25(OH)D濃度低下の要因は,古典的なものから腎臓病患者特有のものまで多岐にわたる.また,血中濃度低下は,ミネラル代謝異常のみならず,心血管病をはじめとするさまざまな病態や死亡との関連性が指摘されている.透析・CKD患者における血中濃度の至適レベルは明確ではない.これらの患者へのビタミンD投与による臨床効果についてはさらなる検討を要する.
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