特集 CKD診療におけるビタミンと微量元素
2.各ビタミン・微量元素の現況(4)鉄代謝
倉賀野 隆裕
1
1兵庫医科大学循環器・腎透析内科
キーワード:
慢性腎臓病
,
鉄代謝
,
ヘプシジン
Keyword:
慢性腎臓病
,
鉄代謝
,
ヘプシジン
pp.655-660
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001767
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多くの慢性腎臓病(CKD)患者は貧血を伴う.貧血治療には従来赤血球造血刺激因子製剤(ESA)や鉄剤が使用されてきたが,それらの高用量による管理が,CKD患者のイベントや死亡のリスクを上昇させている可能性が指摘されている.高用量のESAや鉄剤を用いて貧血管理を行っている患者は鉄代謝障害を伴っているケースが多い.近年の研究により,鉄代謝障害はCKD患者における貧血の発症・進展のみならず心血管系合併症等のイベントや生命予後に影響を与えていることも明らかになっている.よって今後のCKDに伴う貧血治療を行うに当たり,鉄代謝障害は重要な役割を果たす.
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