特集 CKD診療におけるビタミンと微量元素
2.各ビタミン・微量元素の現況(3)ビタミンK
花房 規男
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
血管石灰化
,
骨の健康
,
骨折
,
dp-ucMGP
Keyword:
血管石灰化
,
骨の健康
,
骨折
,
dp-ucMGP
pp.649-654
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001766
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ビタミンKは,グルタミン酸残基のγ位のカルボキシル化(Gla化)の重要な補酵素である.Gla化される蛋白には,肝臓で合成される凝固因子,骨のosteocalcin,血管のmatrix Gla proteinとgrowth arrest specific gene-6の産物であるGas6がある.ビタミンKの不足はこうしたビタミンK依存蛋白の活性化の障害から,骨病変,血管石灰化と関連する.慢性腎臓病患者ではビタミンKの欠乏がしばしばみられ,観察研究では血管石灰化などの臨床的アウトカムと関連している.一方,介入試験では明確な予後改善を示す報告には乏しく,今後さらなる検証が必要とされる.
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