特集 ウイルス肝炎制御時代の肝発癌
1.ウイルス肝炎制御をめぐる疫学と最新動向(2)わが国におけるHBV感染症の疫学 ―最新の治療薬,ワクチンのトピックス
八橋 弘
1
1国立病院機構長崎医療センター
キーワード:
HBVキャリア
,
肝癌
,
核酸アナログ製剤
,
HBワクチン
Keyword:
HBVキャリア
,
肝癌
,
核酸アナログ製剤
,
HBワクチン
pp.873-879
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002264
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現在,わが国には約100万~130万人のHBVキャリアが存在すると推定されている.この20年間のHBV感染由来の肝癌の発生頻度には増減がなく15%弱の頻度で推移している.B型肝炎の治療法は,大きくは,注射薬のインターフェロン(IFN),ペグインターフェロン(Peg-IFN)と内服の抗ウイルス薬である核酸アナログ製剤の2種類に大別される.HBワクチンによりキャリア化を予防することと,抗ウイルス治療によって,肝炎ウイルスによる慢性肝炎から肝硬変,肝癌への進展を早期に阻止することが,肝癌の予防策として重要である.HBワクチンのトピックスは,2016年10月から出生児に対するHBワクチンの定期接種化が開始され,3回のHBワクチンが公費(無料)で接種できるようになったことである.
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