特集 肝炎の最新情報と展望
C型肝炎ウイルス研究の進歩
福原 崇介
1
1大阪大学微生物病研究所分子ウイルス分野助教
キーワード:
C型肝炎ウイルス
,
感染指向性
,
感染増殖系
Keyword:
C型肝炎ウイルス
,
感染指向性
,
感染増殖系
pp.31-34
発行日 2016年2月20日
Published Date 2016/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.02_0031-0034
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「はじめに」C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)は,1989年に非A非B型肝炎の原因ウイルスとして同定された。世界中に多くの慢性感染患者がおり,肝細胞癌の主たる原因であることから,多くの研究者がHCVの基礎研究に携わってきたが,狭い感染指向性により効率のよい感染実験モデルの確立が阻まれてきた。しかしながら,HCVの同定から四半世紀が経過した現在,有用なin vitroの実験系が確立され,抗ウイルス治療のスタンダードになったDirect Acting Antivirals(DAAs)の開発につながった(図)。本稿では,①in vitroモデル,②in vivoモデル,および③臨床検体を用いた研究,の3項目に分けて,HCV研究の進歩とその成果について概説する。「KEY WORDS」C型肝炎ウイルス,感染指向性,感染増殖系
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