特集 透析患者の脳血管障害
8.くも膜下出血に対する急性期治療
松川 東俊
1
,
吉村 紳一
1
1兵庫医科大学脳神経外科
キーワード:
急性期治療
,
脳血管攣縮
,
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血
Keyword:
急性期治療
,
脳血管攣縮
,
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血
pp.593-597
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001293
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日本人の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAH)の発症率はフィンランド人に次いで高い.転帰不良となる疾患であるが,透析施行中のSAH に対するガイドラインは存在しない.転帰不良と関連する重要な因子として瘤の再破裂と脳血管攣縮が挙げられる.再破裂は血管内治療や開頭手術により瘤そのものを治療することで対応する.脳血管攣縮の発症機序は未だに不明な点が多いがゆえに,治療方法は確立されていない.脳血管攣縮に対しては,さまざまな薬剤が使用されるが,腎機能障害や腎排泄遅延による血中濃度持続が問題となる.本稿では透析施行中のSAH に対する急性期治療に関して解説する.
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