特集 透析患者の脳血管障害
9.脳血管障害急性期の透析法
江里口 雅裕
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
頭蓋内圧
,
脳灌流圧(脳血流)
,
間歇的血液透析
,
持続的血液透析濾過
,
腹膜透析
Keyword:
頭蓋内圧
,
脳灌流圧(脳血流)
,
間歇的血液透析
,
持続的血液透析濾過
,
腹膜透析
pp.599-604
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001294
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脳出血および脳梗塞(脳血管障害)の急性期における透析法について重要なことは,透析治療中の脳灌流低下(頭蓋内圧の上昇)をいかに予防できるかを知っておくことである.脳灌流低下に関与する因子として① 透析不均衡症候群,② 透析中の血中二酸化炭素濃度の上昇,③ 透析中の血液低下を考慮する必要がある.また,透析中に頭蓋内圧を低下させる選択として①グリセロールの投与,② 透析液温度を下げる,③ 透析液Na 濃度を上げる(高Na 透析)が挙げられる.脳出血発症24 時間以内は,透析療法での抗凝固薬の使用による血腫増大や不均衡症候群による脳圧上昇のリスクが高いため,透析を避けることが望ましい.
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