特集 近未来の透析医療
【コラム】人工材料を用いない自家細胞性人工血管の可能性と将来展望
伊藤 学
1
1佐賀大学医学部胸部・心臓血管外科
キーワード:
自家細胞製人工血管
,
バイオ3D プリンタ
,
小口径人工血管
Keyword:
自家細胞製人工血管
,
バイオ3D プリンタ
,
小口径人工血管
pp.505-506
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001265
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
人工材料を用いて作製した現行の小口径人工血管(口径6 mm 未満)は,抗血栓性,抗感染性,生体適合性などの面で解決すべき課題が多く残されており,ブレイクスルーが待ち望まれてきた.近年,ヒト人工多能性幹細胞(iPS 細胞)をはじめとした幹細胞研究や組織工学技術が発展するなかで,自己の細胞を用いた立体組織・臓器再生への期待が高まっている.人工材料をまったく含まず,細胞だけで任意の立体構造体を構築するバイオ3D プリンタに着目し,外科的血行再建に用いる小口径細胞製人工血管の研究,開発に取り組んできた.本コラムでは,臨床応用を目指した透析用の自家細胞製人工血管の可能性と将来展望について述べたい.
Copyright © 2020, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.