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人工酸素運搬体の開発 ―現状と将来展望―
堀之内 宏久
1
,
泉 陽太郎
1
,
小林 紘一
1
,
土田 英俊
2
1慶應義塾大学医学部呼吸器外科
2早稲田大学理工学総合研究センター
pp.879-881
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100128
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■歴史的背景
1900年にLandsteinerが血液型を発見,血液型をあわせ,交差試験を行うことにより,輸血の副作用は著しく減少した.20世紀,輸血は出血に対するなくてはならない治療法としてその安全性が追求され続け,その結果多くの血液型の理解が進み,輸血感染症が発見され,スクリーニング方法も確立した.また,移植片対宿主疾患(graft versus host disease,GVHD)などの免疫学的異常反応の解析と治療,輸血後急性肺傷害(transfusion related acute lung injury,TRALI)など,多くの問題に対して研究が行われ,その治療法が開発されて,輸血治療は安全・確実なものとなってきた.しかし,未知のウイルス感染症やプリオン病の問題など輸血治療の安全性にかかわる新たな問題が最近クローズアップされてきている.
いつでも,どこでも安全に投与できる人工血液の開発を目指し,厚生省(当時)は1997年に人工赤血球,人工血小板,人工抗体の創製と開発について科学研究班を組織し,精力的な研究が開始され,現在に至っている.
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