特集 世間の荒波にもまれるCKD-MBD 治療
1.CKD-MBDの診断(2)生化学的診断
加藤 一彦
1
,
中島 章雄
1
,
横山 啓太郎
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
CKD―MBD
,
線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
,
血液透析
Keyword:
CKD―MBD
,
線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
,
血液透析
pp.321-328
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001224
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慢性腎臓病(CKD)に伴い生じる骨・ミネラル代謝異常は,骨の異常だけではなく,全身に影響し,生命予後に影響を与えることから,CKD-mineral and bone disorder(CKD-MBD)という概念が提唱されている.多くの臨床研究にて,臨床的アウトカムとリン(P),カルシウム(Ca),PTH が関連していることが示され,P,Ca,PTH が現在のMBD 治療におけるおもな治療対象とされている.日本透析医学会のガイドラインでは透析患者における血清P の目標値は3.5~6.0 mg/dL,補正Ca の目標値は8.4~10.0 mg/dL,intact PTH は60~240 pg/mL(whole PTH では35~150 pg/mL)とされている.保存期CKD 患者の血清P,Ca 値は,基準値内に維持することが望ましいとされ,PTH 値が基準値上限を超える場合,この是正を考慮することは妥当であるとされている.
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