CKD-MBD臨床研究
CKD-MBDとマグネシウム
坂口 悠介
1
1大阪大学 大学院医学系研究科老年腎臓内科学
キーワード:
Magnesium
,
危険因子
,
血液透析
,
血管内皮
,
高血圧
,
脂質異常症
,
骨疾患-代謝性
,
心臓血管疾患
,
糖尿病-2型
,
骨組織リモデリング
,
内皮細胞
,
慢性腎臓病
,
血管石灰化
,
線維芽細胞増殖因子-23
,
低マグネシウム血症
Keyword:
Bone Diseases, Metabolic
,
Cardiovascular Diseases
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Endothelium, Vascular
,
Hypertension
,
Renal Dialysis
,
Risk Factors
,
Bone Remodeling
,
Endothelial Cells
,
Dyslipidemias
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Vascular Calcification
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
Magnesium
pp.343-350
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015022617
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マグネシウム(Mg)は心血管疾患と緊密な関わりをもつ.一般住民を対象とした臨床研究において,Mg欠乏は高血圧や2型糖尿病,脂質異常症,血管内皮機能障害と関連し,心血管イベントのリスクとなることが明らかにされている.一方,心血管疾患のhigh risk groupである慢性腎臓病(CKD)患者において,Mgの臨床的意義は長らく見過ごされてきた.しかし,近年,血液透析患者でも血清Mg濃度低値は心血管予後不良と関連することが報告された.また,欧州でMg含有リン吸着薬が使用され始めたことを契機に,MgとCKD-MBDのクロストークが見直されている.とくに血管石灰化に対するMgの効果は重要と考えられる.一方,透析患者ではMg過剰状態が骨代謝に及ぼす影響を同時に勘案しなければならない.今後,CKD患者に対するMg投与の有用性が介入研究により検討される必要がある.
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