特集 透析患者の脳血管障害
3.脳血管障害の危険因子とその管理(3)CKD―MBD と脳卒中
山田 俊輔
1
,
荒瀬 北斗
2
,
嶋本 聖
2
1九州大学病院腎・高血圧・脳血管内科
2九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
CKD―MBD
,
高リン血症
,
副甲状腺ホルモン
,
線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
Keyword:
CKD―MBD
,
高リン血症
,
副甲状腺ホルモン
,
線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
pp.555-560
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001287
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脳卒中は運動機能や高次脳機能の低下/喪失によって日常生活動作や生活の質が損なわれ,重篤な場合には死に至る疾患である.CKD/透析患者は脳卒中の危険因子が集積した集団であり,一般住民よりも発症率が高い.近年,慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常症(CKD-MBD)が心血管合併症の危険因子であることが明らかになった.脳卒中も例外ではなく,観察研究の結果,高リン血症や線維芽細胞増殖因子23(FGF23)の高値は脳出血の危険因子であり,低リン血症は脳梗塞のリスクであることが報告されている.CKD-MBD の最上流にはリンの相対的な過負荷が位置しており,リン降下薬などによってリン負荷量を適切に管理することが,脳卒中をはじめとした心血管合併症を防ぐうえで重要である.
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