特集 その人らしい生活を支える透析看護
2.担がん透析患者を支えるケア
大賀 由花
1
1山陽学園大学看護学部看護学科
キーワード:
消耗性疲労
,
エネルギー保存
,
死の不安
,
尊厳ある生の終焉
Keyword:
消耗性疲労
,
エネルギー保存
,
死の不安
,
尊厳ある生の終焉
pp.1351-1358
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001075
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透析患者に対する生き方を尊重したケアでは,患者の背景を理解しようとする看護師の姿勢や意思決定支援など重要なことが多くある.本稿では,まずがんを抱える透析患者のケアに当たっての,患者の全身状態の把握と患者・家族と医療スタッフとの情報共有について述べる.侵襲的な治療の実施に患者・家族の迷いが生じた際,医療者は,背景のなかの物語に耳を傾け,思いやりをもって接し,状況を確かめ意思決定のプロセスをたどることが大切である.次に,慢性期の治療中心の生活における① 消耗性疲労に対する生活調整(エネルギー保存)と,② 死の不安に対する尊厳ある生の終焉の二つを目標とした場合の,看護診断・成果・介入を取り上げて,担がん透析患者のケアについて述べる.治療的背景を踏まえ,透析療法を調整することや,予期的悲嘆への支援も大切である.
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