特集 その人らしい生活を支える透析看護
1.概論(1)その人らしい生き方を支えるための倫理的視点
会田 薫子
1
1東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座
キーワード:
倫理
,
臨床倫理
,
物語り
,
エビデンス
,
共同意思決定
Keyword:
倫理
,
臨床倫理
,
物語り
,
エビデンス
,
共同意思決定
pp.1329-1336
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001072
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
臨床倫理の中心的な役割は,一人ひとりの患者がその人らしい生き方と生き終わり方を実現するための意思決定を支援することにある.医療とケアに関する意思決定の分岐点を認識し,選択肢を挙げ,各選択肢のメリットとデメリットをまずエビデンスに基づき医学的に整理し,次いで患者の人生の物語りの視点から検討し,総合的に考えてメリットが最大の選択肢を本人・家族とともに選ぶことが求められる.その際,医療・ケアチームは患者の人生の物語りを理解しようとする姿勢をもって,患者・家族と対話のプロセスを通し共同意思決定に至ることが大切である.人生の最終段階に至っては,「本人の満足」に資する医療とケアのあり方について創造的に検討することが重要である.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.