特集 AKI診療のエビデンスと課題
11.高齢者におけるAKI
守山 敏樹
1,2
1大阪大学キャンパスライフ健康支援センター
2大阪大学大学院医学系研究科身体制御健康医学
キーワード:
慢性腎臓病
,
末期腎不全
,
共同意思決定
Keyword:
慢性腎臓病
,
末期腎不全
,
共同意思決定
pp.651-656
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000913
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近年の高齢化をうけて,末期腎不全にて維持透析導入に至る患者に占める高齢者の比率は高く,高齢者が腎機能低下,腎不全のハイリスク者であることは明らかである.また,急性腎障害(AKI)においても高齢者の発症頻度は若年層より高い.そして,AKI は既存のCKD を悪化させる因子としても重要である.予防への配慮が求められる所以である.高齢者では合併症も多く,AKI に対する治療においても,血液浄化療法の治療効果は限定的となる場合がみられ,血液浄化療法の適応については非高齢者とは異なる考慮要素が求められる場面も増える.とくに患者・家族の意向についてよく話し合う必要があり〔共有(または共同)意思決定〕,倫理的観点からの考察が重要性を増している.
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