特集 AKI診療のエビデンスと課題
10.小児におけるAKI と急性血液浄化療法
金森 透
1
,
亀井 宏一
1
1国立成育医療研究センター腎臓・リウマチ・膠原病科
キーワード:
小児急性腎障害
,
急性血液浄化療法
,
輸液療法
,
KDIGO 診断基準
Keyword:
小児急性腎障害
,
急性血液浄化療法
,
輸液療法
,
KDIGO 診断基準
pp.641-649
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000912
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
小児における急性腎障害(AKI)の診断にはKDIGO の診断基準・分類が用いられる.小児のAKI の発症率は全入院患者の33 %程度で,小児集中治療室での発症が多い.腎代替療法の導入の原因疾患は2/3 を腎外疾患に起因する二次性AKI が占め,二次性AKI では死亡率が高いが,生存した場合の腎機能予後は良好である.小児のAKI の早期診断や予後の予測にNGAL をはじめとした各種バイオマーカーが検討されているが,ガイドラインでは明確な推奨には至っていない.AKI の支持療法としては体液管理が重要であり,適切な輸液管理および利尿薬投与により体液量の過剰を回避する.保存的加療でAKI の諸症状が管理不能な場合は腎代替療法を導入する.近年はデバイスの進歩により小児・新生児期においても安全に血液透析が実施でき,病態・体格や施設の習熟度に応じて適切な血液浄化療法が選択される.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.