特集 透析患者の糖尿病管理の新展開
8.合併症(6)糖尿病胃腸症
有村 愛子
1
,
出口 尚寿
1
,
西尾 善彦
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科人間環境学講座糖尿病・内分泌内科学
キーワード:
糖尿病胃腸症
,
糖尿病自律神経障害
,
胃不全麻痺
,
交代性の便秘と下痢
Keyword:
糖尿病胃腸症
,
糖尿病自律神経障害
,
胃不全麻痺
,
交代性の便秘と下痢
pp.103-107
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000777
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糖尿病胃腸症は糖尿病自律神経障害の一部である.透析の原因が糖尿病性腎症の場合には,糖尿病自律神経障害は高度に進行していることが多い.糖尿病胃腸症には胃不全麻痺,交代性の便秘・下痢などがあり,胃不全麻痺は悪心・嘔吐をきたす.これらの消化器症状が,αグルコシダーゼ阻害薬やGLP-1 受容体作動薬などの糖尿病薬やその他の薬剤による副作用の疑いがある場合は,これらの薬剤の中止を検討する.胃不全麻痺では,血糖値が不安定となり,血糖コントロールに難渋することが多い.便秘にはまず浸透圧性下剤が勧められる.腸蠕動が著明に低下しているため刺激性下剤も有用である.慢性下痢に対して止痢剤は効果的な薬剤である.
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