特集 腹膜透析患者のキュア&ケアのレベルアップ
6.被囊性腹膜硬化症(EPS)とそのメカニズム
片山 和紀
1,2
,
小林 威仁
2,3
,
永田 真
1,2
1埼玉医科大学呼吸器内科
2埼玉医科大学アレルギーセンター
3埼玉医科大学総合診療内科
キーワード:
イコデキストリン
,
腹膜炎
,
好酸球
,
尿酸
Keyword:
イコデキストリン
,
腹膜炎
,
好酸球
,
尿酸
pp.1555-1561
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000737
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腹膜透析患者における致死的な合併症として被囊性腹膜硬化症(encapsulatingperitoneal sclerosis;EPS)があり,その発症頻度は全腹膜透析患者の0.9〜2.4 %とされる.発症には長期にわたる腹膜透析期間,腹膜炎の合併,酸性・高浸透圧性ブドウ糖透析液などが関与しており,近年頻用される中性イコデキストリン透析液においてもラットを用いた実験では腹膜肥厚,腹膜への好酸球浸潤が認められる.EPS の治療としては副腎皮質ステロイド薬の投与,手術療法が中心となる.近年では外科的治療の成績は向上しており進行したEPS に対する標準的治療となっている.
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