透析医療と合併症 キュア&ケアガイドブック
腹膜透析 CQ 12 被囊性腹膜硬化症(EPS)の発症予防の対策はどのように行いますか?
内山 清貴
1
,
鷲田 直輝
2
1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
2国際医療福祉大学病院腎臓内科
キーワード:
被囊性腹膜硬化症
,
生体適合性
,
腹膜透過性
,
限外濾過
,
腎移植
Keyword:
被囊性腹膜硬化症
,
生体適合性
,
腹膜透過性
,
限外濾過
,
腎移植
pp.728-733
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000536
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Ⅰ医学的背景
EPSはまれなPD合併症で発症率も減少傾向だが,今なお医療者・患者にとってPD導入の妨げとなる重大な疾患である.
Ⅱキュア
継時的な腹膜透過性の上昇に加えて,限外濾過量や自由水移動の低下にも着目すべきである.
PD排液のバイオマーカーについては,現時点で実臨床への応用が困難である.
Ⅲケア
とくに長期PD患者では腹膜機能や腹部症状に留意し,腹膜炎の発症や遷延は回避すべきである.
患者には食塩・水分制限を励行させ,可能なかぎり中性の低濃度ブドウ糖含有透析液を用いた管理を行う.
PD離脱後の腹腔内洗浄はcontroversialだが,腎移植に伴う離脱ではEPS発症に注意が必要である.
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