特集 腹膜透析患者のキュア&ケアのレベルアップ
5.透析液の組成・貯留・交換パターン
伊東 稔
1
1矢吹病院腎臓内科
キーワード:
中性液
,
低GDP
,
イコデキストリン
,
治療パターン
Keyword:
中性液
,
低GDP
,
イコデキストリン
,
治療パターン
pp.1547-1554
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000736
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現在,国内で使用される腹膜透析液には浸透圧物質としてブドウ糖が使用されている.従来のブドウ糖透析液は酸性,高GDPs(ブドウ糖分解産物)による低い生体適合性が問題であった.技術的進歩によってGDPs を軽減した中性透析液,重炭酸透析液が開発されている.低GDPs 液は尿量維持,残腎機能維持にも有効である.ブドウ糖を用いないイコデキストリン透析液は安定した除水が可能であり体液コントロールに有効であるが,1 日1 バッグの使用に制限されている.透析液の治療パターンは多彩で,これこそが腹膜透析治療におけるケアであり,溶質除去量,除水量,生活様式などを基に決定される.今後,より生体適合性の高い透析液の開発が望まれる.
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