特集 透析患者の余暇とレクリエーション
9.透析患者の旅行・出張に対する透析スタッフの配慮事項
池間 真吾
1
1株式会社旅行透析
pp.1043-1046
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000610
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筆者は透析病院予約代行専門業者の代表取締役(47 歳)であり,7 時間透析を週3 回通院にて受ける透析歴10 年の患者でもある.年間160 回の透析のうち,毎年約30 回が旅行透析である.当社で雇用している社員は全員透析患者で,日本全国4,350 カ所の透析施設の95 %以上に電話取材を3 年がかりで実施,旅行透析に必要な透析実施時間帯や曜日,対応外国語の情報を完全網羅,データ化した.よって日本全国とアジア圏を中心とした透析施設の予約代行が当社のおもな仕事である.筆者や社員自ら日本全国・アジア15 カ国の観光地で旅行透析を体験しながら,安全な透析施設を開拓し,患者の皆さんに紹介してきた.水質が不安な国や透析施設には,会社の顧問でもある楢村友隆氏(東亜大学准教授,専門:透析液)にフィリピンやミャンマーなどへ同行いただき透析室の水質検査も実施している.高齢の患者のなかには,アジアはまだ後進国といった先入観をもった人が多いが,実際に透析体験を多々してみると,十分に良質で安全な透析医療を受けられること,施設によっては日本以上の高いホスピタリティがあることや日本の透析とは大きく異なる点などがわかった.もちろん,施設によってはトラブルを経験したこともある.事前に情報収集をして,施設の選択はしっかりしておくことが重要である.
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