連載 意思決定の統計学・【最終回】
予測の基礎事項
松原 望
1
1上智大学外国語学部国際関係副専攻(社会統計学)
pp.278-281
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100152
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将来はわかるのか?
図1に示したデータは,ある疫学研究で用いられた心臓病による死亡者数のデータである。旧厚生省の人口動態統計の死亡統計から作成されたもので,このように時間(月)に対してとられたデータは「時系列」といわれる。これを観察してみると,1年のなかで月にわたって波動を描きながら(周期的変動),長期的にはだんだんと直線的に上昇していく傾向がみえる(これを傾向線という)。
これらのパターン自体はこの後も変わりそうもないから,これによってその後の心臓病の発生数がどうなるか,大まかに言いあてることができそうである。その後を大まかに言いあてることを予測といい,これをそれまでのデータにもとづいて予測することを統計的予測という。
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