透析医療と合併症 キュア&ケアガイドブック
透析療法 CQ 1 透析導入をスムーズに進めるために必要なことはなんですか?
角田 亮也
1
,
山縣 邦弘
1
1筑波大学医学医療系臨床医学域腎臓内科学
キーワード:
療法選択
,
患者教育
,
計画導入
Keyword:
療法選択
,
患者教育
,
計画導入
pp.685-688
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000525
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Ⅰ 医学的背景
透析は,腎移植を受けない末期腎不全患者において,生命を維持するため必要となる.
十分な腎不全保存期の治療を行っても,腎不全症候,日常生活の活動性,栄養状態を総合的に判断し,それらが透析療法以外に回避できないときに開始される.
Ⅱ キュア
eGFR で15~30 mL/min/1.73 m2 に至った時点で患者の身体状況とライフスタイルに応じ,腎移植,腹膜透析,血液透析について療法選択の情報提供を行う.
透析が必要となる1 カ月以上前に透析アクセス確立を行い,計画的導入を行う.
GFR で15 mL/min/1.73 m2 未満に至り,保存的治療では対処できない体液貯留,電解質異常,代謝性アシドーシス,尿毒症徴候が出現するときが透析導入の適応であり,血清クレアチニン値やeGFR のみで判断すべきでない.ただし腹膜透析導入においては,残存腎機能が保たれていることが重要である.
Ⅲ ケア
保存期より継続的に腎のはたらき,腎不全の病態,腎代替療法の必要性,各腎代替療法の特性につき理解度を確認しつつ指導する.
腎機能喪失や透析導入に際する身体的変化および心理的変化を観察し,患者の受容を支援する.
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