透析医療と合併症 キュア&ケアガイドブック
腹膜透析 CQ 8 腹膜透析の透析量を維持するために必要なことはなんですか?
伊東 稔
1
1 矢吹病院腎臓内科
キーワード:
腹膜透析
,
適正透析
,
透析量
,
残腎機能
,
併用療法
Keyword:
腹膜透析
,
適正透析
,
透析量
,
残腎機能
,
併用療法
pp.713-716
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000532
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Ⅰ医学的背景
透析量を維持する目的は「適正透析」を得ることである.
腹膜透析における透析量は一般に週当りの尿素Kt/Vで評価する.週当りの総Kt/Vは腹膜透析と残腎機能によるKt/Vの総和である.
過去の研究から目標とする週当りの総Kt/Vは1.7となっている.
Ⅱキュア
透析量を維持するためには残腎機能の維持が重要である.
残腎機能維持を目的とした患者管理,介入について検討すべきである.
Ⅲケア
残腎機能が低下してきた場合は腹膜透析処方の検討が必要である.
腹膜透析による透析量を増やすには透析液交換回数を増やすこと,注液量を増やすことがポイントとなる.
Kt/V>1.7が維持されているにもかかわらず尿毒症症状が出現する場合は治療方法の変更を検討する.本邦では血液透析との併用療法が積極的に行われている.
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