ケース・スタディ 症例報告
維持血液透析患者の足爪白癬に対するルリコナゾールの有効性が示唆された一例
成山 真一
1
,
小坂 文子
2
,
神頭 真理
1
,
上岡 美保
2
,
野口 哲也
1
,
尾藤 良子
1
,
澁谷 浩司
1
,
濱松 初美
2
,
杉木 雅彦
1
,
政近 智子
1
,
粕本 博臣
1
,
澁谷 浩二
1
1住吉川病院内科
2住吉川病院看護部
キーワード:
維持血液透析 足爪白癬 外用薬 ルリコナゾール
Keyword:
維持血液透析 足爪白癬 外用薬 ルリコナゾール
pp.1291-1295
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000175
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日本透析医学会によれば,本邦の維持血液透析(HD)患者数は年々増加し,その患者数は32 万人に至っている1).糖尿病性腎症を原疾患とする透析導入患者の増加,透析導入年齢の高齢化,長期透析患者の増加といったことを背景に,HD 患者は動脈硬化性疾患,整形外科疾患,感染性疾患,悪性腫瘍,認知症などといったさまざまな問題を抱えている.これらの諸問題のなかの一つに難治性疾患として知られる爪白癬が挙げられる.爪白癬(おもに足爪白癬)は臨床現場において遭遇することはまれではないが無症状・未治療のまま経過している場合も珍しくない.しかし,爪白癬は年齢が増すに伴い罹患率が上昇し2),HD 患者ではさらに罹患率が高く3),爪白癬の蔓延化は憂慮すべき事態である.
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