〔症例報告〕
大網巻絡に加えて卵管采迷入によるPD カテーテルの閉塞を認めた1 例
森野 隆広
1
,
粟田 梨愛
2
,
服部 英明
3
,
山田 真規
4
,
三上 隆一
4
,
山本 満雄
4
,
宮本 幹
1
,
杉木 雅彦
1
,
成山 真一
1
,
澁谷 浩司
1
,
野口 哲也
1
,
澁谷 浩二
5
,
中西 健
1
,
藤田 嘉一
1
,
西岡 正登
1
1住吉川病院内科
2神戸市立医療センター西市民病院腎臓内科
3千船病院腎臓内科
4神戸市立医療センター西市民病院外科
5住吉川病院外科
キーワード:
腹膜透析
,
カテーテル閉塞
,
大網
,
卵管采
Keyword:
腹膜透析
,
カテーテル閉塞
,
大網
,
卵管采
pp.1215-1218
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001026
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腹膜透析(peritoneal dialysis;PD)は,カテーテルを腹腔内に留置して,1 日数回の透析液の交換を行う持続的な透析療法である.PD 療法を継続するうえでPD カテーテルの閉塞は透析液の注排液異常をきたし,PD 継続が困難となる重大な合併症の一つである.その原因としてフィブリンや凝血塊による閉塞,腹腔内臓器(腸管・虫垂・腹膜垂・大網・卵管采など)のカテーテル内への侵入などが挙げられる.カテーテル内へ迷入する腹腔内臓器としてもっとも頻度が高いのは大網であるが,同時に卵管采がカテーテル内へ侵入するのはきわめてまれである.今回,われわれは大網巻絡に加えて卵管采迷入によるカテーテルの閉塞を認めたが,腹腔鏡下に閉塞解除術を施行することにより,注排液良好となった1 例を経験した.腹腔鏡下手術を選択することで,確定診断が可能となり,治療介入しえたきわめてまれな症例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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