こんな時どうする!? 糖尿病患者によくみられる皮膚症状
足白癬・爪白癬
北見 由季
1
,
末木 博彦
2
1昭和大学医学部 皮膚科学教室
2昭和大学医学部皮膚科学講座
pp.472-474
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200443
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内科医からのQuestion
「足の皮がむけて,足の爪が厚くなっています.水虫のようですが,どうしたらよいでしょうか」
症例
糖尿病の教育入院中に,主治医に足と爪病変を指摘される.5年前より足底の鱗屑を認め(図1),3年前より足の爪が濁って徐々に厚くなってきた(図2)が,自覚症状がなく放置していた.
■皮膚科医からのAnswer
「足白癬,爪白癬だと思われます.皮膚科へのコンサルトをお願いします」
まず足白癬を疑う患者の訴えとしては,「足がかゆい」「足の皮がむける」が多い.この訴えのみで外用抗真菌薬を開始するのは危険である.足白癬と鑑別すべき疾患は湿疹,汗疱,掌蹠膿疱症,掌蹠角化症などたくさん存在する.むやみに外用薬を使用してかぶれてしまう例も多い.爪白癬でも同様であり,爪甲異常を引き起こす疾患は扁平苔癬,乾癬,爪甲鉤弯症などがあげられる.必ず皮膚科医へのコンサルトを行い,鱗屑あるいは爪甲の直接鏡検を行い,真菌要素の有無を確認する必要がある.緊急性を要する例は少ないが,趾間型足白癬でびらんを生じている場合は,蜂窩織炎を引き起こすことがあるので,早急にコンサルトをする.
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