症例研究
血液透析患者の高度石灰化を伴う腸骨動脈閉塞病変に対しステントグラフによる血行再建を行った1例
成山 真一
1
,
三木 孝次郎
2
,
吉原 永貴
2
,
申 輝樹
1
,
上岡 美保
3
,
北島 智
4
,
三上 達也
5
,
神頭 真理
1
,
北川 聡
1
,
森野 隆広
1
,
粕本 博臣
6
,
澁谷 浩二
7
,
中西 健
1
1住吉川病院内科
2兵庫医科大学病院循環器内科
3住吉川病院看護部
4住吉川病院臨床工学部
5住吉川病院放射線部
6川崎病院腎臓内科
7住吉川病院外科
キーワード:
末梢動脈疾患
,
高度石灰化
,
ステントグラフト
,
維持血液透析
Keyword:
末梢動脈疾患
,
高度石灰化
,
ステントグラフト
,
維持血液透析
pp.424-430
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002107
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わが国の維持血液透析患者数は33万人を数えるに至り,糖尿病を原疾患とする透析導入患者の増加,透析導入年齢の高齢化,長期透析患者の増加,多岐にわたる合併症などといった傾向が見受けられる.また心血管疾患や脳血管疾患などの合併症が多いことも知られている.近年では心血管疾患・脳血管疾患と並び末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)およびその重症例である重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)も大きな問題となっている.腎機能障害そのものがPADの独立した危険因子であることに加え,血液透析患者は高血圧症・糖尿病・易感染性・栄養不良などの危険因子を抱えており,このような患者にとって下肢切断は「生活の質」を著しく損なわせるものである.また下肢大切断に至った維持血液透析患者の予後はきわめて悪いことが知られている.
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