投稿論文 紹介
華岡流外科手術の限界
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
外科手術
,
乳房腫瘍
,
医学生涯教育
,
オランダ
,
外科医
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
Keyword:
Surgical Procedures, Operative
,
Netherlands
,
Education, Medical, Continuing
,
Breast Neoplasms
,
Surgeons
pp.905-914
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022250891
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19世紀初頭の華岡青洲の華岡流外科は、陳実功の「外科正宗」に準拠し、手術法や術後創部処置はカスパル流外科に依拠した。青洲の「瘍科神書」と「瘍科瑣言」が示している。しかし、「外科正宗」が1617年に出版された医書であり、カスパル流の外科が1650年前後に蘭館医シャムベルゲルが伝えた外科であることを考慮すると、青洲の外科は時代遅れであった。青洲は新しいハイステルの外科手術を侵襲度が大きいとして受容しなかった。華岡流外科の成立はこれらの因子に影響され、加えて鎖国の影響も考慮しなければならない。
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