投稿論文 紹介
華岡青洲による"十四膏方"の完成と命名の時期について
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
軟膏剤
,
薬学史
,
用語法
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
Keyword:
Ointments
,
Terminology as Topic
,
History of Pharmacy
pp.878-889
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021294655
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華岡流外科の特徴の一つは、術後における14種の膏方の使用にある。しかし、膏方研究の開始と完成と命名時期は不詳であった。著者は青洲自筆の写本「阿蘭陀外科伝書」や春林軒の診療記録「癸亥続薬方冊」などを精査して、青洲が1795年5月から膏方の研究を開始し、遅くとも1803年4月までに14種の膏方を完成したことを明らかにした。青洲は吉益東洞の十二律方に着想を得て李靖の十二辰陣にちなんで14種の膏方を命名したが、その時期は1805年3月から1806年4月と推定される。
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