投稿論文 症例対照研究
フレイルは高齢大腿骨近位部骨折患者の術後合併症のリスク因子である
植木 正明
1
,
深澤 高広
,
鷲尾 輝明
,
坂本 昇太郎
1西脇市立西脇病院 麻酔科
キーワード:
危険因子
,
股関節部骨折
,
術後合併症
,
大腿骨頸部骨折
,
後向き研究
,
フレイル
Keyword:
Retrospective Studies
,
Risk Factors
,
Hip Fractures
,
Frailty
,
Postoperative Complications
,
Femoral Neck Fractures
pp.76-81
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022082543
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フレイルは、高齢者のストレスに対する脆弱性が亢進した状態である。米国麻酔科学会術前全身状態分類(American Society of Anesthesiologists-physical status classification:ASA-PS)は術前の全身状態を評価・分類し、予後予測指標としても利用されている。今回、術前フレイルがASA-PSと同様に大腿骨近位部骨折患者の術後合併症の予測因子になるかどうかを検討した。対象は、2017年6月1日から2018年12月31日までに65歳以上の大腿骨近位部骨折患者167症例である。術後合併症は、せん妄、肺炎、尿路感染症、肺塞栓症、脳梗塞、虚血性心疾患、創部感染症、褥瘡と定義した。患者の26.3%がフレイル状態で、術後合併症は40.1%に生じた。大腿骨近位部骨折患者の術前フレイルは、術後合併症のリスク因子であった。
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