発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008091699
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下肢外傷骨折患者42例に下肢静脈超音波検査を行い、術前の超音波検査の有用性を検討した。全例、胸痛、呼吸困難、動脈血酸素分圧の低下はなく、症候性の肺血栓塞栓症(PTE)発症はなかった。深部静脈血栓症(DVT)は7例(16.7%)にみられ、いずれも旧DVT・PTE予防マニュアルによるリスクレベル分類で高リスク、もしくは新DVT・PTE予防マニュアルによるリスクレベル分類で最高リスクの症例であった。また、DVT発症7例のうち、DVTと高脂血症(5例)、12日以上の臥床(7例)が有意に関連した。受傷は左側(6例)に多い傾向がみられ、右下肢受傷例よりも慎重な対応が必要だと考えられた。超音波検査法は非侵襲で、DVTのスクリーニングとして高リスク以上に分類される症例には全例に施行し、高脂血症、12日間以上の臥床例に対しても高リスク分類症例と同様な対応が必要だと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008