投稿論文 症例対照研究
フレイル患者の術中BIS値の低下は術後せん妄発症と関係する
植木 正明
1
,
深澤 高広
,
鷲尾 輝明
,
坂本 昇太郎
1西脇市立西脇病院 麻酔科
キーワード:
股関節部骨折
,
術後合併症
,
全身麻酔
,
せん妄
,
気管内挿管法
,
大腿骨頸部骨折
,
脳波記録法
,
後向き研究
,
リスク評価
,
Sevoflurane
,
意識監視装置
,
術中神経生理学的モニタリング
,
フレイル
Keyword:
Anesthesia, General
,
Retrospective Studies
,
Hip Fractures
,
Intubation, Intratracheal
,
Frailty
,
Sevoflurane
,
Postoperative Complications
,
Electroencephalography
,
Femoral Neck Fractures
,
Delirium
,
Risk Assessment
,
Intraoperative Neurophysiological Monitoring
,
Consciousness Monitors
pp.362-367
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022140576
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フレイル患者の脳は麻酔薬の影響をより受けやすく、脳活動がより抑制され、脳波モニターでのbispectral index(BIS)値が低下する結果、術後せん妄が生じると仮説を立てた。今回、脳波モニターのBIS値を指標にフレイル患者の術中BIS値と術後せん妄発症率を非フレイル患者と比較検討した。対象は、2017年10月1日から2018年9月30日までに60歳以上の大腿骨近位部骨折手術を行った89症例である。麻酔はセボフルランによる全身麻酔で行った。フレイル患者は非フレイル患者と比べて循環動態に有意差はなかったが、気管挿管時のBIS値は有意に低く、術中のBIS値40以下の積算時間は長く、術後せん妄発症は多かった。フレイル患者の脳は麻酔薬の影響を受けやすい可能性がある。
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