公益社団法人日本麻酔科学会第68回学術集会講演特集号 学術委員会:学会賞記念講演(2020・2021 年度受賞)
心肥大モデルラットではTRPCチャネルの過剰発現が関与してブピバカインによる心毒性が増強する
日野 秀樹
1
,
松浦 正
,
堀 耕太郎
,
辻川 翔吾
,
森 隆
,
西川 精宣
1大阪市立大学 大学院医学研究科麻酔科学
キーワード:
Bupivacaine
,
疾患モデル(動物)
,
心拡大
,
Sprague-Dawleyラット
,
心筋細胞
,
心毒性
,
TRPC3 Channel
Keyword:
Rats, Sprague-Dawley
,
Cardiomegaly
,
Disease Models, Animal
,
Bupivacaine
,
Cardiotoxicity
,
Myocytes, Cardiac
,
TRPC3 Cation Channel
pp.S210-S217
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022068088
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
左室肥大の局所麻酔薬感受性亢進に対するtransient receptor potential canonical(TRPC)チャネルの影響について検討した。3週齢の雄性SDラットを用いて左室肥大モデルラット(mTAC)を作成し、ブピバカイン持続静注による血行動態変化の比較、単離左室心筋細胞でのパッチクランプ法によるNa+電流の比較、トランスフェクションHEK-293T細胞でのパッチクランプ法によるNa+電流測定、単離心筋細胞膜上のTRPC3発現の比較を行った。mTACモデルでは有意にブピバカインによる心抑制が増強しており、TRPC3を活性化することでブピバカインによるNa+電流抑制が増強した。また、Nav1.5発現HEK-293T細胞を用いた実験でも、TRPC3が共発現することでNa+電流抑制が増強し、mTACラットでは左室心筋細胞の細胞膜上へのTRPC3タンパク発現が増加していた。左室肥大では局所麻酔薬による心抑制が増強され、TRPC3チャネルを介してイオン型局所麻酔薬が通過することが関連していると考えられた。
Copyright© 2021 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.