2025年を見すえた心不全診療ロードマップ 突破口はどこにあるのか 不全心を癒やす 基礎研究からの提言
心筋血流に介入する
須田 将吉
1
,
林 由香
,
吉田 陽子
,
南野 徹
1新潟大学 大学院医歯学研究科循環器内科学
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
p53遺伝子
,
インスリン抵抗性
,
冠循環
,
高血圧
,
疾患モデル(動物)
,
心筋疾患
,
心拡大
,
心不全
,
大動脈縮窄症
,
細胞老化
,
心筋虚血
,
心筋細胞
,
糖尿病性心筋症
Keyword:
Aortic Coarctation
,
Coronary Circulation
,
Disease Models, Animal
,
Cardiomegaly
,
Heart Failure
,
Hypertension
,
Insulin Resistance
,
Cardiomyopathies
,
Signal Transduction
,
Genes, p53
,
Myocardial Ischemia
,
Cellular Senescence
,
Myocytes, Cardiac
,
Diabetic Cardiomyopathies
pp.443-447
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014113890
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高血圧による心肥大では,ミクロレベルの相対的心筋虚血が生じ,新生血管を誘導することで代償している.老化シグナルであるp53が,HIF1を介して新生血管の誘導に関与している.心筋組織においてインスリンシグナルが心肥大を惹起することで,心筋虚血が生じている.心不全時には脂肪組織においてインスリン抵抗性が生じており,高インスリン血症をきたすことで心肥大を助長している.アンジオテンシンIIやインスリンによりp53を介した老化シグナルが亢進することから,ACE/ARBなどの薬剤やインスリン抵抗性の改善が心肥大による心不全に重要である可能性が示唆される.
©Nankodo Co., Ltd., 2014