臨床経験
CTガイド下経皮肺針生検による左室内空気栓
松田 英祐
1
,
吉田 久美子
,
吉山 康一
,
林 達朗
,
田中 俊樹
,
田尾 裕之
,
岡部 和倫
1国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科
キーワード:
胸部X線診断
,
空気塞栓症
,
酸素吸入療法
,
徐脈
,
心室
,
心臓疾患
,
低血圧
,
肺切除
,
針生検
,
放線菌症
,
肺炎-細菌性
,
胸部CT
,
肺炎-器質化
Keyword:
Actinomycosis
,
Bradycardia
,
Biopsy, Needle
,
Embolism, Air
,
Heart Diseases
,
Heart Ventricles
,
Hypotension
,
Oxygen Inhalation Therapy
,
Pneumonectomy
,
Radiography, Thoracic
,
Pneumonia, Bacterial
pp.944-946
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019424
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
42歳男。主訴は胸部異常影であった。胸部CTにて左上葉に3cm大の不整形の陰影を認め、肺癌を否定できずCTガイド下経皮肺針生検を行った。検査終了直後に血圧が70mmHgに低下し、脈拍が40回/分となり、CTにて左室内に空気を認め、心腔内空気栓と考えた。CT台で頭低位として酸素吸入を開始し、2時間後のCT再検で左室内の空気減少を認めたため、頭低位を解除した。18時間後のCTでは左室内の空気は消失し、酸素吸入と安静を解除し、後遺症なく回復した。病理結果は器質化肺炎であった。3ヵ月後に陰影の増大をきたし、左上葉切除術を行い、肺放線菌症と診断された。
©Nankodo Co., Ltd., 2015