投稿論文 短報
全身麻酔中に重篤な血圧低下を来し、循環管理に難渋したギラン・バレー症候群の麻酔経験
濱場 千夏
1
,
伊地 智和子
,
田中 修
,
堀川 由夫
,
飯島 克博
,
川瀬 太助
1神戸大学医学部附属病院 麻酔科
キーワード:
Epinephrine
,
血液循環
,
術中合併症
,
全身麻酔
,
大腿骨頸部骨折
,
低血圧
,
Guillain-Barre症候群
,
関節置換術
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
Keyword:
Anesthesia, General
,
Epinephrine
,
Hypotension
,
Intraoperative Complications
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
Femoral Neck Fractures
,
Blood Circulation
,
Guillain-Barre Syndrome
,
Arthroplasty, Replacement
pp.1318-1320
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021100626
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75歳女。転倒して右大腿骨頸部骨折を負い入院した。入院当日から筋力低下を自覚し、さらに呼吸状態の悪化を認め、酸素投与されていたが、翌日に高二酸化炭素血症を認め、NPPVによる呼吸管理が開始された。下肢優位の筋力低下と四肢腱反射の低下を認め、ギラン・バレー症候群と診断された。免疫グロブリン大量静注療法を施行され、呼吸状態は徐々に改善した。入院後4日目にNPPVから離脱し、8日目に酸素投与も不要となった。呼吸筋・四肢筋力も回復したため、16日目に人工骨頭置換術を全身麻酔下に施行した。麻酔導入直後から血圧が80/46mmHgに低下し、フェニレフリンとエフェドリンを投与したが収縮期血圧は70mmHg前後で推移した。ノルアドレナリンの急速投与3回と持続投与を行ったが血圧は上昇せず、アドレナリン10μgの急速投与で135/69mmHgに上昇し、その後はアドレナリンの持続投与を行い、手術を開始した。収縮期血圧は術中90~110mmHgで推移した。手術終了後も循環動態不安定であったため、気管挿管のままICU入室とした。入室後に循環動態は安定し、術後2日目に一般病棟へ転棟となった。
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