投稿論文 短報
重度心奇形を伴う多脾症候群患児の全身麻酔下歯科治療経験
一杉 岳
1
,
塚本 真規
,
門脇 さゆり
,
山中 仁
,
横山 武志
1九州大学 大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野
キーワード:
Mepivacaine
,
Midazolam
,
歯科医療
,
歯周疾患
,
全身麻酔
,
抜歯
,
歯科麻酔
,
浸潤麻酔
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
内臓錯位症候群
,
多脾症候群
Keyword:
Anesthesia, Dental
,
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Local
,
Mepivacaine
,
Midazolam
,
Tooth Extraction
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
Periodontal Diseases
,
Dental Care
,
Heterotaxy Syndrome
,
Heterotaxy Syndrome
pp.632-637
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020306878
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3歳女児。高度低酸素血症とチアノーゼを呈し、当院心臓外科で心室修復術が予定されていたが、多数の齲蝕歯を認めたため、口腔内感染源除去と感染性心内膜炎予防を目的として全身麻酔下に抜歯を含む歯科治療を行うこととなった。麻酔薬は心機能抑制作用が軽度で後負荷を上昇させにくいセボフルランを用い、緩徐導入と麻酔維持を行った。術中の追加麻酔薬はミダゾラムを使用し、低血圧を生じさせやすいプロポフォールの使用は避けた。導入時の適切な前負荷維持のため、術前から補液を行うことで脱水を予防した。低血圧時の対応としてαβ刺激薬のドパミンやエフェドリンを使用した。また副交感神経遮断薬のアトロピンも併用し、後負荷の不利益な上昇を避けながら心拍出量と体血流量を適切に維持した。術中に大きな循環変動や心電図変化はなく、術後経過も良好であった。
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