投稿論文 短報
機械弁を有するフォンタン手術後の側彎症手術の麻酔経験
野中 崇広
1
,
自見 宣郎
,
指宿 佳代子
,
住吉 理絵子
,
泉 薫
,
水野 圭一郎
1福岡市立病院機構福岡市立こども病院 麻酔科
キーワード:
Dopamine
,
Fentanyl
,
Propofol
,
静脈麻酔
,
脊柱側彎症
,
全身麻酔
,
僧帽弁
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
中心静脈圧
,
輸液療法
,
Fontan手術
,
腹臥位
,
人工弁置換術
,
Remifentanil
,
手術時体位
,
単心室
Keyword:
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Intravenous
,
Fentanyl
,
Scoliosis
,
Mitral Valve
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Prone Position
,
Propofol
,
Univentricular Heart
,
Remifentanil
,
Dopamine
,
Central Venous Pressure
,
Fontan Procedure
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.1313-1317
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021100625
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フォンタン手術後患者に対する腹臥位手術は、循環維持や凝固管理などの課題に加え、陽圧換気や腹臥位による胸腔内圧上昇が肺血管抵抗を上昇させて心拍出量減少を招き、循環不全をきたすリスクがある。今回、機械弁を有するフォンタン手術後患者の側彎症手術を腹臥位で行った症例の麻酔を経験した。症例は14歳女で、術前から房室弁(機械弁)の可動性が軽度低下しており、血栓付着の既往もあったため、周術期を通してヘパリンを投与した。術中の人工呼吸管理は陽圧換気による肺血管抵抗上昇の影響を考え、従圧式で20cmH2Oを超えない方針で臨んだ。また術中は標準モニターに加え観血的動脈圧とCVPをモニターして管理した。仰臥位から腹臥位への体位変換に伴いCVPが上昇したが、腹部の圧迫はなく、体血圧と心拍数は安定しており、換気条件の大幅な変更も不要であったことから、体位変換直後のCVP値を腹臥位での初期値として、その値から大きく逸脱しないように管理した。術後4日目にCVPが上昇し、胸水貯留を認めたため胸腔ドレーンを挿入した。術後8日目にドレーンを抜去し、12日目にハイケアユニットから一般病棟へ転棟となり、25日目に自宅退院となった。
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