投稿論文 紹介
華岡青洲が京都遊学時代に書写した「紅毛外科集」について とくに華岡青洲のカスパル流外科修業開始時期を巡って
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医学書誌
,
外科学
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
Keyword:
Bibliography of Medicine
,
General Surgery
pp.1375-1385
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021080701
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華岡青洲の京都遊学中の動静の詳細は長年の研究によっても不詳であった。著者は青洲自筆の写本「紅毛外科集」を見出して、カスパル流外科を伝える写本であることを明らかにした。写本末尾の識語によって、青洲の外科修業の開始が1784年2月であり、その期間は翌年2月に帰郷するまで1年間であったことが判明した。写本にはカスパル流外科の病理学、創傷の処置法、膏方、約300語の片仮名書きのオランダ語単語集が含まれており、青洲のもっとも早期の写本で重要である。
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